2015年プラント市場見通し

 「エネルギーのある所にプロジェクトあり」エンジニアリング業界では、この一言が長年に渡って語り継がれてきた。 この言い伝えの通りだとすれば、昨年秋から始まった原油価格の値下がりは、プロジェクトの具体化に悪影響を与えそうだ。 しかし産油国はすでに、海外に精製拠点を建設するなど、多角化を始めている。 現地資本とも手を握り、需要地に近い地域で生産活動を始めている。 このためエネルギー価格の影響を徐々に受けないようになってもいる。

 ただLNGプラントは今年、豪州を中心に生産規模で年産約3,000 万トンの設備が稼動する。 理屈から考えれば、計画中のLNGプロジェクトのFID (最終投資決定) は遅れるはずだ。 このような状況を踏まえたうえで、化学、電力、環境、製鉄の各プロジェクトの2015 年を予想した。


  【化学プロジェクト】
   2015年の注目は「LNGよりもアジア」
   豪で大型案件が相次ぎ稼働、LNGは供給過剰に

  【電力プロジェクト】
   東南アジアを中心に石炭火力で優位な日本勢
   世界各地でプロジェクトの具体化が加速

  【製鉄プロジェクト】
   印・高炉プロは、日本勢優勢
   下工程では、トルコ・ネシアに注目

  【環境プロジェクト】
   神奈川・石川・長野・京都でDBOプロ
   マレーシアKLで、日造・重工・JFEエンジが激突



 (Vol.347 2015年1月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部