プロジェクトの全体最適を目指す「調達」

 1990 年代に円高が進んだ時、コスト削減を目的として、資機材の海外調達が加速した。しかしプロジェクトの全体効率を考えた場合、表面価格だけで判断すれば、効率が損なわれる可能性もある。顧客がリストアップしていないベンダーから調達する場合、顧客の了解を得るために、工場サーベイも行わなければならない。こうしたことが、プロジェクト全体の効率にどのように影響するか考慮する必要がある。調達は、全体最適を見つめながら行われる必要がある。

【総 論】
 プロジェクトの全体最適を目指す「調達」
 表面価格よりもプロジェクト遂行の効率を重視

【千代田化工建設】
 財務状況悪化でも、調達業務への影響は軽微
 受注好調な現在は、若手調達担当者の育成の好機

【東洋エンジニアリング】
 海外3現法が各拠点のベンダーを評価
 調達のPDCAで業務の改善にも取組

【日 揮】
 3つの調達組織で多様なプロジェクトに対応
 調達担当者の育成に、海外現地法人を活用

【三菱重工環境・化学エンジニアリング】
 主要製缶品ベンダーのロードを可視化
 海外調達の促進と同時に、工事量が増加する国内の安定調達にも取組

【JFEエンジニアリング】
 国内の環境・産業機械事業で、海外調達の取組強化
 ダイバシティで多様な人材を確保、業務効率の改善に成果

【新日鉄住金エンジニアリング】
 品質・納期・価格のバランスを重視
 国内・海外にこだわらず、適正な地域で調達

【東レエンジニアリング】
 「エンジニアリング」と「ものづくり」の2分野を持つ調達組織
 調達先の選定では、QCDとCSRを重視



 (Vol.440 2019年3月25日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部