カーボンリサイクルと人工光合成

 CO2を資源とするカーボンリサイクルは、温室効果ガスを削減するための究極の方法かもしれない。この方法に着目したわが国では、経済産業省資源エネルギー庁が「カーボンリサイクル技術ロードマップ」を策定し、その技術革新に向けた取組を強化している。その中で、注目される技術の一つに人工光合成がある。光合成は、植物が光エネルギーを使って、CO2から炭水化物を合成するものだ。光合成は水を分解する過程で生じた酸素を大気中に供給している。この植物の営みを人工的に行うことで、CO2の削減を図ろうとする試みだ。技術の実用化には時間がかかるが、この取組は軽視できない。

【総 論】
 カーボンリサイクルと人工光合成
 期待されるCO2の資源としての活用

【金属錯体】
 カーボンリサイクルで期待高まる、人工光合成
 実用化に不可欠なCO2還元光触媒の開発で成果

【ガスクロマトグラフ】
 人工光合成の研究に不可欠なガスクロマトグラフ
 島津製作所がバリア放電イオン化検出器を搭載したGCを市場に投入



 (Vol.461 2020年3月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部