プラント貿易アウトルック2019

 かつて、わが国の海外プラント・エンジニアリングの主力機種は、オイル&ガス、石油化学に加え、電力だった。これら機種に加え、2019年度で目立ったのは、交通システムやごみ発電プラントといった「二次インフラ」とも呼べる機種だ。「二次インフラ」は、経済成長に伴う生活水準の向上に伴い需要が高まる機種だが、最近になって、わが国の海外プラント・エンジニアリング成約において存在感を高めている。2019年度はその傾向が顕著になった。

【総 論】
 新たな主役となった「二次インフラ」
 2019年海外プラント成約で目立った、交通システムとごみ発電

【国際協力銀行 執行役員・経営企画部長 内田誠氏】
 前年度はTICAS開催契機にアフリカ支援と特別業務の拡充に注力
 今年は新型コロナ対応が最優先

【日本貿易保険 営業第二部長 浦田秀行氏】
 前年度は、資源・エネルギー案件が堅調で融資保険の引受が増加
 今年度は、運転資金支援に注力するほか、制度改善の効果にも期待

【千代田化工建設 常務執行役員 エネルギープロジェクト営業本部長 松井英夫氏】
 カタールで計画のLNGプロジェクトの受注に全力
 IOCは投資判断が慎重に

【東洋エンジニアリング 専務執行役員 プラントソリューション事業本部長 細井栄治氏】
 プロジェクト実現に「追い風」が吹かなかった前期
 今期は顧客との対話重視、地道な活動で将来へ布石

【日揮グローバル 取締役専務執行役員
              オイル&ガスプロジェクトカンパニー 営業本部長 吉田明朗氏】
 前期は新型コロナの感染拡大で大型案件が相次ぎ延期
 今期はイラク向け製油所近代化などを地道に積み上げ受注目標4,000億円目指す

【日揮グローバル インフラストラクチャープロジェクトカンパニー
                       アソシエイトディレクター 加嶋良輔氏】
 入札案件と事業構想型案件を両輪に事業展開
 ターミナル・医薬品プラント・ごみ発電など、幅広く対応

【IHI 執行役員 資源・エネルギー・環境事業領域副事業領域長 武田孝治氏】
 前期は新設からメンテナンスまで幅広く受注
 今上期の商談はコロナの影響で中断、下期の刈り取りに期待

【日立造船 執行役員 環境事業本部営業統括部海外営業統括 井部隆氏】
 前期は中国とタイでごみ発電プラント、HZIも収益回復
 いっそうの競争力強化、ライフサイクル事業にも本腰

【2019年度 主要受注プロジェクト一覧】(本誌調査)



 (Vol.469 2020年7月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部