プラント貿易アウトルック

2022年度の海外プラント貿易ビジネスはどうだったのか? 2020年頃から世界的に感染が拡大した新型コロナウィルスだが、世界はその影響を吸収し、時代は「ウイズ・コロナ」へと移行した。そして以前から世界的な課題となっていた、脱炭素化の動きが世界的に進んだ。こうした中で、オイル&ガス分野では、天然ガスを液化するLNGプラントの需要が根強くあり、重電プラントでは、天然ガスを活用するガスタービン・コンバインドサイクル発電設備の需要が高まった。2022年度とは、コロナ禍からコロナとの共生に移行し、化石燃料から非化石燃料へのエネルギー移行も進んだ。二つの「移行」が始まった年度だったと言えるだろう。


【総 論】
 プラント貿易アウトルック2022
  天然ガス関連が市場を牽引、各社多様化する国際展開

【国際協力銀行 関根 宏樹 業務企画担当特命審議役】
 JBIC法改正でスタートアップ支援など対象領域が拡大
  ポストコロナを反映して2022年度、出融資・保証承諾額は12%増

【日本貿易保険 望月 正史 執行役員企画部長】
 地政学リスクの高まりにより保険引受は増加
  日本企業と海外企業の取引促す「SEEDスキーム」も創設

【千代田化工建設 営業本部 櫻井 公穂 執行役員 本部長】
 カタール向けLNGプロジェクトへの依存から脱却
  時代の変化に対応した事業展開を目指す

【東洋エンジニアリング 松室 健 専務執行役員・営業統括本部統括本部長】
 前期は中国などで期待案件を受注
  アライアンスにより事業体制を強化

【日揮グローバル エネルギーソリューションズ 桜井 宏司 執行役員・営業本部長】
 ウクライナ侵攻を機会に不確実性が高まった世界のプロジェクト市場
  今期は燃料アンモニア、SAF案件の具体化に期待

【日立造船 環境事業本部 山本 淳一 海外環境ビジネスユニット長】
 日造とHZIで、海外市場に積極対応
  HZIは前期、過去最高の受注高を達成

【三菱重工業 エナジードメイン 河本 英士 プラント営業戦略室長】
 エネルギートランジションの動きを捉えた三菱重工エナジードメイン
  ガスタービンの水素燃焼からアンモニアの有効活用まで、幅広い領域で対応

【2022年度 主要受注プロジェクト一覧】(本誌調査)



 (Vol.535 2023年7月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部