好調、医薬品製造プラント市場

かつて年間3,000億円台と言われた、国内医薬品製造プラント市場だが、その市場規模は最近では、5,000〜7,000億円台にワンステージ上がった。その背景には、薬種が増加したことに加え、コロナ禍で浮上した、医薬品製造のサプライチェーンの見直しやワクチン生産体制の整備といった新しい問題への対応がある。しかも最近は、資機材と人件費の高騰でプラントの建設費が上昇傾向にある。その一方で、要員不足から、計画している案件が先送りされるケースもある。これらの問題はいずれも、好調な医薬品製造プラントの市場環境から引き起こされている。

 【総 論】
  エンジニアリング業界の重点分野「医薬品製造プラント」
  当面は市場が拡大、課題は拡大するプロジェクトへの対応

 【鹿島建設】
  医薬品・化粧品の製造プラントに積極的に対応
  化粧品製造プラントでもコンスタントに実績

 【大成建設】
  ワンストップソリューションの提供でトップコントラクターの地位を獲得
  自動化・省人化システムにはいち早く対応

 【千代田化工建設グループ】
  「経営計画2025」でもライフサイエンス分野を重視
  バイオ医薬・再生医療等の最先端分野にも対応

 【テックプロジェクトサービス】
  世界の規格の改定を適切にフォロー、プラントの設計に反映
  原薬・バイオ医薬関連プラントで着実な実績

 【東レエンジニアリング】
  原薬・高薬理活性対応に強み、高効率遂行で資機材・人件費高騰に対応
  FS段階から顧客と協業、信頼関係を構築

 【日揮】
  日揮、2023年度の大型受注案件の確実な遂行を重視
  2024年度は受注を手控え、厳しい市場環境で利益確保を目指す

 【三菱ケミカルエンジニアリング】
  プラント建設の計画段階から稼働後の設備管理までライフサイクルに対応
  ユーザー系エンジ企業としての、強みを発揮




 (Vol.577 2025年6月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部