実用化に向けた動きが本格化する水電解設備

水を電気分解して水素と酸素に分離する水電解装置。再生可能エネルギー由来の電気により電解すれば、グリーン水素を得ることができる。この電解設備では今、実用化に向けた実証の動きが始まっている。経済性の問題はあるものの、経済産業省は価格差支援によりコストの隔たりを解消し、実用化に向けた動きが本格化している。実用化に向かっている水電解設備の現状を取材した。

  【総 論】
   水素利活用、普及のカギを握るコスト
   水電解ではアルカリ型とPEM型が普及、モジュールでの納入が活発化

  【カナデビア】
   水素関連事業で2040年代に2,000億円の売上高を目指す
   山梨県都留市にGWクラスの電解スタック工場を建設中

  【キッツ】
   低コストによる水素供給を目指すPEM型水電解水素発生ユニットを発売
   水素サプライチェーンのすべてに対応する製品をラインナップ

  【千代田化工建設】
   トヨタとの協業で、コンパクトで高出力かつ低コストのセル・スタックを開発
   FCVの技術を利用、来年春からトヨタ本社工場で生産ラインを稼働

  【ティッセンクルップ】
   アルカリ水電解(AWE)法の世界的リーダー、大型プロジェクトで存在感
   高圧水電解とSOEC技術にも取り組む




 (Vol.586 2025年11月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部