【中東ビジネスの行方】
 地球上の資源が集中する中東地域。資源集中地域であると同時に紛争の絶えない地域だ。イラク戦争に端を発した混乱は、1月に予定されている新体制の選挙の実現も不透明にしている。しかし、この地域がプロジェクトの宝庫であることは間違いない。特に昨今の原油価格の高止まりに伴い、中東諸国には潤沢なプロジェクト資金がある。この地域を抜きに最近のプロジェクト市場を語れない状況にある。
 2005年、この中東市場はどこに向かうか、先行きを占ってみた。

『イラク・プロジェクトは流血を超えて動くか』

  アジア経済研究所 地域センター参事 酒井 啓子 氏
『魅力と危険が同居する中東プロジェクト市場』
『米敵視政策あれど、イランはやはりプロジェクトの宝庫』
『テロ危険性あっても、サウジはプロジェクト大市場』
『小国でも資源国、カタール・オマーンも重要国だ』





【2005年、業界キーパーソン語りおろし】
 2005年はどんな年になるか。昨年は中国の経済成長を背景に、エネルギー、鋼材などの需要がすべて増加した。エネルギー需要の高まりにより原油価格の高騰が引き起こされ、プロジェクト需要の高まりの遠因となり、鋼材価格の高騰はコントラクターの頭痛の原因になった。
 日揮の重久会長は「良くも悪しくも、中国に尽きる」と2004年の印象を語ったが、超大国中国の成長が大きな影響を与えた1年だった。
 2005年もこのまま中国の勢いが続くのか、はたまた別の局面が見えるのか。業界キーパーソンに語ってもらった。


経済産業省 国際プラント推進室長 村崎 勉 氏
「国際プラント推進室は、行政サービスの競争力を問われています」

日揮 会長 重久 吉弘 氏
「国内では気付かなかった日本人の良さが評価されています」

東洋エンジニアリング 社長 山田 豊 氏
「昔から『技術』『上流のエンジニアリング』『プロジェクトマネジメント』をコアとして展開しています」

神戸製鋼所 専務取締役 小谷 重遠 氏
「顧客ニーズの核心に迫る技術・製品開発ができれば収益性は向上します」

富士電機システムズ 社長 伊藤 晴夫 氏
「小さな総合よりも最強の専業を目指します」

清水建設 執行役員 エンジニアリング事業本部長 荻原 勉 氏
「エンジニアリング事業本部は新技術の開発、事業開拓がなくなったら解散します」

昭和エンジニアリング 社長 三谷 進 氏
「グループ経営にとって『Thinking 機能』になることが重要です」

新興プランテック 代表取締役社長 新庄 信 氏
「プラントの維持・回復・再生の三段階でお客様のメンテナンスに貢献したいですね」

ABB梶@代表取締役社長 鈴木 勇 氏
「少数精鋭で受注高500億円を目指します」

オートデスク シニアダイレクタ マーク・ストラスマン 氏
「AVEVAとは互いの強みを活かし合い、二人三脚で事業展開します」
(vol.127 2005.1月合併号より)

重化学工業通信社
ENN編集部