【ゼネコンは 「建設」 を棄てろ】

 欧米で「エンジニアリング企業」と呼ばれる業態に最も近いわが国の業態はゼネコンである。そのゼネコンは、ビル建設や土木工事を生業として今日に至っている。ただそのゼネコンも旧態依然とした建設や土木工事だけでは、成長が見込めない状況になっている。特に欧米企業でそれは顕著だ。例えば、ドイツのゼネコン・ホッフティフは空港運営に乗り出し、世界で4空港を運営している。また最近ではPFI事業に進出するゼネコンは日本・海外を問わず、増えている。

 わが国で、公共工事が頭打ちになっている昨今、ゼネコン各社も開発事業に力が入る。最近ではプロジェクトファイナンスやREIT(不動産投資信託証券)などのファイナンス技術も進化している。わが国ゼネコンはバブル崩壊により、開発事業を手控えた時期もあったが、最近はリスク管理の徹底により再び市場に舞い戻ってきた。事業投資が新たな収益を生むきっかけになる。ゼネコンが建設事業だけでエンジョイできる日が終わるのも近いようだ。敢えて言う「ゼネコンは『建設』を棄てろ」



 開発事業の意義は事業規模を超える
 「ゼネコンは建設を棄てるか」

 【 大 林 組 】  - PFI事業で最多の実績も収益性に疑問 -
 【鹿 島 建 設】 - 30年の実績を活かし垂直・水平方向に事業を拡大 -
 【清 水 建 設】 - バブル崩壊の教訓を活かし開発事業を再開 -
 【大 成 建 設】 - 2006年度には受注高倍増の2,000億円へ -
 【竹中工務店】 - 開発事業は建築受注の手段の一つ -




(vol.129 2005年2月10日号より)

重化学工業通信社
ENN編集部