南米市場へのいざない

 「鉱物資源の宝庫ブラジル、OPEC (石油輸出機構) 加盟国でエネルギー資源に恵まれるベネズエラなど、南米諸国には豊富な資源がある。 この資源を背景に、南米には豊富なプロジェクト需要がある。 現在、ブラジルでは日本の鉄鋼メーカーが出資する製鉄所で設備投資があるし、莫大な埋蔵量を持つテュピ油田が発見され、新たなプロジェクトが浮上しそうだ。 また2014年のワールドカップ開催に向けた高速鉄道の建設プロジェクトには、わが国の官民を挙げた受注へのアプローチがある。 一方ベネズエラでは、石油精製の二次処理設備や石油化学プロジェクトで旺盛な需要がある。 いずれも資源国で、見逃せない市場である。 とは言うものの、日本にとっては地球の裏側である。 日本の大きく異なる習慣があるなど、対応にはそれなりの配慮が必要だ。

 【総 論】   動き出した南米プロジェクト市場   潜在需要は抜群、課題はリスク回避
 【化 学】   ブラジル・ベネズエラともに旺盛なプロジェクト需要   課題はリスク回避と南米独特の時間軸への対応
 【鉄 鋼】   日欧のメーカーが注目、ブラジル製鉄プラント市場   優良ベンダーと協力し、FOB受注へ
 【高速鉄道】  ブラジル新幹線、日伯国交100周年の象徴に   三井物産など日本企業4社が関心


(Vol.210 2008年10月10日号より)

重化学工業通信社
ENN編集部