プラント貿易アウトルック2009

 2009年度は、その前年度のリーマンショックの影響が残る中で始まった。 前年秋に予定されていた大型プロジェクトの入札は軒並み延期、あるいは見直しになり 「影響はいつまで続くのか」 そんな暗澹たる気持ちが業界関係者の心の中でも支配していたはずだ。 ところが蓋を開けると、状況は懸念したほど深刻では無かった。 春先から中東では大型プロジェクトの入札が実施され、入札が発表された。 が、これらプロジェクトの入札で、わが国エンジニアリング企業はなかなか受注できず、韓国や欧州勢に受注を奪われた。 プロジェクト市場は予想以上に落ち込まなかったものの、業界各社には新たな課題を突きつけた1年だった。

【 総  論 】   2009年度、海外プラント市場は回復も、激化した競合 -高まった韓国勢の存在感-
【化学プラント】 韓国勢の台頭著しかった2009年度 -LNGプロジェクトでは日本勢が存在感-
【重電プラント】 2009年の発電プラント市場は大きくスローダウン -2010年は市場が徐々に回復へ-
【鉄鋼・交通システム・環境プラント】 製鉄プラントの大型受注は2件 -環境プラントでは、南米で2件の水処理BOTプロ-

■国際協力銀行 (JBIC) 国際業務戦略部長 安間 匡明 氏
 リーマンショック機に輸出金融が復活、投資型プロジェクトへも対応

■日本貿易保険 営業第二部長 村崎 勉 氏
 2009年度は過去最高の引受額、リーマンショック後、ECAに新たなニーズ

■日揮 常務取締役営業本部長 古田 栄喜 氏
 2009年度受注目標を上方修正も、今期は海外現法育成など競争力強化に注力

■千代田化工建設 執行役員営業部門副部門長兼営業第2本部長 長坂 勝雄 氏
 受注目標をほぼ達成、競争力強化には海外EPC拠点整備とパートナリングで対応

■東洋エンジニアリング 取締役常務執行役員 海外営業統括本部本部長 椎木 秀樹 氏
 今期受注目標は2,800億円、注目市場は中南米とアジア

■三菱重工業 原動機事業本部原動機輸出部部長 白岩 良浩 氏
 2009年は受注落ち込み、2010年はアジア中心に大型商談の獲得狙う

■2009年度 主要受注プロジェクト一覧 (本誌調査)


(Vol.249 2010年7月10日号より)

重化学工業通信社
ENN編集部