設備診断サービスが老朽プラントを救う

 わが国の石油・石油化学プラントの老朽化は深刻の度合いを増している。 石油精製プラントで、最も新しいプラントは出光興産・愛知製油所だが、稼働開始したのは1975年だ。 多くのプラントが40〜50年を超える経年年数に達している。 加えて、プラントの現場では、経験豊富なベテランエンジニアがすでにリタイヤの時期を迎え、これからプラントを守るのは、入社以来、モニターばかりを眺めてきた世代だ。 こんな状況下、わが国のプラント関連事故は増加の一途だ。 この状況を改善するのに重要な役割を果たすのが設備診断サービスである。 ユーザー系エンジニアリング、工事会社に加え、検査会社がこのサービスを提供しているが、各社ともに、その事業は個性的だ。

 【総 論】
 設備診断サービスが老朽プラントを救う ユーザー系エンジ・工事会社・検査会社が設備診断サービスに注力

 【旭化成エンジニアリング】
 「設備を扱う医者」を自認、専門技術者による診断サービスを展開 今秋には遠隔診断サービスにも着手

 【出光エンジニアリング】
 予測型設備管理サービス「Dr.PLANT」を提供 システム提供からオンストリーム診断まで、幅広く対応

 【山 九】
 設備診断は、3PM事業のコア業務の一環 メンテナンスセンターも活用し効率的で質の高い診断と保全を提供

 【JFEメカニカル】
 製鉄所のメンテから、独自の診断技術を開発 加工組立からプロセス産業まで、幅広い顧客層

 【新興プランテック】
 材料・溶接ラボの試験・検査設備とデータベースを駆使 信頼性の高い材料診断支援サービスを実現

 【高田工業所】
 自前の技術スタッフで顧客設備の問題を解決 回転機械が起こす複雑な事象に対応

 【日揮プランテック】
 長年に渡る実績ベースに最適提案 自社開発ソフトも活用し、効率よく診断サービスを実施


   (Vol.294 2012年7月25日号より)


重化学工業通信社
ENN編集部