実用化間近の 「水素エネルギー」

 元素番号1番。 質量が軽く燃焼しやすい水素は、ハンドリングの難しい物質であるため、実用化が難しかった。 しかしエコカーの本命とされる燃料電池車に水素を供給する水素ステーションは商用規模の実証が始まった。 また千代田化工や日立製作所は、水素をトルエンに固定化してメチルシクロヘキサンとして長距離輸送する技術にメドを付けている。 水素が実用化されれば、「環境と経済性」 というトレードオフの関係にある二つの要素が両立する可能性もある。水素の実用化には、大きなインパクトが期待される。

 【総 論】
  実用化間近の水素エネルギー
  FCVは2015年に普及開始、MCHによる輸送・貯蔵は実証段階に

 【三菱化工機】
  水素ステーションの開発にいち早く取り組んだ三菱化工機
  2005年から水素製造装置「HyGeia」を開発、開発ステージは第三世代

 【千代田化工建設 / 日立製作所】
  実用化直前まで来た水素貯蔵・輸送技術
  千代田化工が実用化にめど、水素利用を大幅に前進へ

 【三菱重工業】
  燃料電池を使った複合火力発電、発電効率70%以上へ
  トリプルコンバインドサイクル、三菱重工が開発



   (Vol.297 2012年9月25日号より)


重化学工業通信社
ENN編集部