Cover Story 2020



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※本文は一部を抜粋したものです、詳細はENN誌をご覧下さい。
 【2020/12/10日号】
東芝ESS・千代田、CO2分離回収実証設備を完工
世界初のBECCS対応発電所、処理量500トンで国内最大
 アミン吸収液を活用したCO2分離回収技術は、最も進んだ技術として高い評価を得ている。このほどシグマパワー有明の三川発電所で運転を開始したCO2分離回収実証設備は、500トン以上のCO2を回収できる設備だが、国内最大であるうえに、高効率でCO2を回収できる。東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)のCO2分離回収技術に千代田化工建設の排煙脱硫技術「CT-121」を活用した前処理設備により、高効率でのCO2分離回収が可能だ。同時に「エネルギーと環境の調和」を企業理念とする千代田にとっての相応しい設備でもある。

 【2020/11/25日号】
IHI、カーボンニュートラルな「ブルーアンモニア」利用の混焼試験を開始
ガスタービンと石炭火力発電で、エネルギーキャリアとしてのアンモニアに着目
 IHIは10月下旬、ブルーアンモニアをガスタービンの燃料として利用する燃焼試験に着手した。今後、ガスタービンと石炭火力発電でブルーアンモニアの混焼試験を行い、実用化に向けた取組に力を入れる。今年3月にも、IHIはJERAなどと共同でNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業である「アンモニア混焼火力発電技術の先導研究」にも取り組んでいる。エネルギーキャリアとして注目度が高まるアンモニアだが、IHIはその社会的な実装に向けた取組みを強化している。

 【2020/10/25日号】
多様化する基幹改良ニーズに対応するMHIEC
寿命延長・コストの適正化から地域の防災まで、幅広く対応
 三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC)では、ごみ焼却炉の基幹改良工事が受注好調だ。2011年度に基幹改良工事が環境省の循環型社会形成推進交付金の対象になった以降、累計28件の受注実績を持っている。そんなMHIECの強みの1つが、事前に自治体が抱える課題を聞き取り、ニーズを取り込む提案力だ。日常のO&M業務や本社での遠隔監視、事前の自治体との面談などを通じ、自治体が直面している課題やニーズを明確化。

 【2020/10/10日号】
日鉄P&E、国内最大級のオンサイト型水素ステーションを完工
コロナ禍に試運転、ライセンサーとはオンラインで連携
 日鉄パイプライン&エンジニアリング(日鉄P&E)が建設していた国内最大級のオンサイト型水素ステーションが8月25日、開所した。昨年3月に、JXTGエネルギー(現ENEOS)から受注したオンサイト型水素ステーションだが、その建設目的は東京オリンピック・パラリンピック時期に燃料電池自動車(FCV)と燃料電池バス(FCバス)に水素を供給し、周辺のオフサイト型水素ステーションに水素を出荷することだ。受注時期には、資材や作業員の確保に苦労したプロジェクトだが、2020年に入って新型コロナウイルスの感染拡大が始まると、プロジェクトの周辺環境は一変した。

 【2020/9/25日号】
地熱発電所のライフサイクルビジネスに取り組む出光エンジ
石油精製プラントで培ったノウハウを活用、資源調査からO&Mまでをカバー
  石油精製や石油化学プラントのオペレーション&メンテナンス(O&M)に豊富な実績を持つ出光エンジニアリング。そのO&Mで培ったノウハウが今、地熱発電所に生かされている。すでに、出光大分地熱(出光興産100%出資)が九州電力向け蒸気供給事業とバイナリー発電所の営業運転を行っている滝上事業所向けにはO&Mサービスが提供され、高い稼働率を維持することによって、FIT(固定価格買取制度)による売電収入の増収などの成果が期待される。

 【2020/9/10日号】
TVEで始まった「第二の創業」への助走
2022年3月に創業100周年、「グローバルニッチトップへ」
 2022年3月に創業100周年を迎える東亜バルブエンジニアリング(TVE)。その準備のための助走と位置付けられるのが昨年6月に策定された第3次中期経営計画である「中期経営計画2019」だ。この中計では、「グローバルニッチトップへ」をスローガンに、その「目指す将来像」に向かうための具体的な行動計画までが示されている。今年10月に「TVE」へと社名を変更するが、100周年を機会に本格的なスタートを切るための助走は、すでに始まっている。

 【2020/7/25日号】
連続受注を支える日鉄エンジ・ガス化溶融炉の技術力
低炭素・NOx運転を実現、運転の省人化も
 日鉄エンジニアリングのガス化溶融炉がここ3年間、受注好調だ。現在、千葉県千葉市、東総地区広域市町村圏事務組合、静岡県浜松市、広島県広島中央環境衛生組合でそれぞれプラントを建設している他、千葉県木更津市でも近く、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)によるごみ焼却炉の建設・運営事業を受注する。そんな好調な営業活動を支えているのが技術力だ。昨年には低炭素・NOx運転を可能にした技術改良により環境に配慮した。今後は、人工知能(AI)やIoTを活用して、運転の省人化を目指す。

 【2020/7/10日号】
「ウイズ・コロナ」の時代のプラント運転管理に一石を投じた月島機械
感染拡大の中で、上海市向けプラントの試運転を遠隔で実施
 今年5月、新型コロナウイルスの感染が拡大している時期、月島機械は上海市向け下水道関連機器・設備を完工した。しかし、その後の試運転に日本から運転指導員を派遣することができず、現地パートナーを活用しながら、試運転を遠隔で実施している。しかし遠隔での試運転には、サイトで得られる五感での体験が得られないなどの問題も浮上した。月島が実施した遠隔での試運転は、遠隔によるプラントの運転管理に一石を投じたと言えるだろう。

 【2020/6/25日号】
日造、ニッスイグループと「米子陸上養殖センター」を竣工
水処理分野の新規事業として陸上養殖システムに着目、高付加価値化も狙う
 日立造船はこのほど、日本水産(ニッスイ)およびニッスイの連結子会社である弓ヶ浜水産と共同で、「米子陸上養殖センター」を竣工、5月下旬から稼働を開始した。日造と養殖センターは一見、結びつきにくいかもしれないが、陸上養殖センターには、日造が培ってきた水処理技術のノウハウを活用できる。わが国の上下水処理施設市場が成熟している現在、水処理による新規分野の開拓は日造にとっても大きな意味を持つ。

 【2020/6/10日号】
福島ガス発電、1号機が営業運転を開始
JAOPEXが主体的に建設・運営、初の発電事業
 石油資源開発(JAPEX)LNG基地の隣接地に建設されていた、福島ガス発電(FGP)プラントが、営業運転を開始した。JAPEXが主体的に運営するFGPだが、JAPEXにとって、初の発電事業となった。プラントの建設から操業に至るまで、JAPEXが主体的に取り組んだが、建設ではこれまで無事故・無災害を記録している。これから営業運転が本格化するが、O&M(操業・メンテナンス)についてはアウトソーシングする。初めての発電事業に取り組んだJAPEXだが、営業運転の開始により大きな一歩を踏み出した。

 【2020/5/25日号】
「グローバル水素サプライチェーン事業実証」が本格化
千代田などによる脱水素プラントが川崎で稼働
 クリーンエネルギーとして注目される水素。千代田化工建設は脱水素の触媒を開発したことから、有機ケミカルハイドライド法の一つであるMCH-LOHC法による水素の利活用技術の確立に取り組んできた。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け、2017年7月には、三菱商事、三井物産、日本郵船とともに、AHEAD(次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合)を設立して、その実用化を目指してきた。

 【2020/5/10日号】
地域と共生する五島市クリーンセンター
プランテックが建設、ゴミ焼却施設内部で市民の環境意識を向上
 長崎県五島市は長崎の西方100㎞に浮かぶ大小合わせて152の島々から成る。自然に恵まれているが、この五島市に昨年11月に竣工したゴミ焼却施設「五島市クリーンセンター」は、地域との共生を意識している。施設は、明るいエントランスホールを持ち、2・3階にある見学者通路では、中央制御室や炉内の燃焼状況が見学できるほか、ゴミ焼却の技術的説明から環境意識の重要性を訴えるためのポスターが掲示されている。

 【2020/4/25日号】
システム建築で短工期・低コストを実現、日鉄エンジの物流施設
アイ・オー・データ機器向け能美物流センターを完工
 ここ3~4年間、物流施設の受注が好調な日鉄エンジニアリングだが、その競争力の源泉がシステム建築だ。耐震部材から施設そのものまでを標準化することで、工期短縮とコストダウンを図っている。 昨年1月に完工したアイ・オー・データ機器向け能美物流センターにも、2階建て低層物流施設向けシステム建築「NSスタンロジ」を採用。短工期と低コストで建屋の高い耐震性と、効率的な物流を実現した。

 【2020/4/10日号】
オールTOYOで大型エチレンコンプレックスを完工
マレーシアRAPID向けに年産130万トンの大型プラント
 プロジェクトが大型化する昨今、計画されているエチレンプラントの生産規模も年産130~150万トンへと巨大化している。これら巨大プロジェクトは、プロジェクト遂行が難しいが、これだけの大型プロジェクトに対応できるコントラクターは世界でも限られている。このため、巨大プロジェクトの実績が差別化戦略にもつながる。そんな中で東洋エンジニアリング(TOYO)はマレーシア・ペトロナスが計画するRAPID向けエチレンコンプレックスで、大型プロジェクトで実績を上げた。今後も事業の飛躍につながることが期待される。

 【2020/3/25日号】
清水、ベトナムで枯葉剤由来汚染土壌の洗浄実証試験
独自の洗浄技術で平均除去率95%達成
 清水建設は昨年12月、ベトナムのビエンホア空港で、枯葉剤由来のダイオキシン汚染土壌の浄化実証試験を完了した。ベトナム戦争時に散布された枯葉剤に起因するダイオキシン汚染土壌の浄化についての実証試験で、清水は独自の土壌洗浄技術の実証とPRを目的に、自己資金でオンサイト型土壌洗浄プラントを建設。汚染濃度の異なる複数の土壌試料約900トンを洗浄処理した結果、ダイオキシン除去率は平均で95%を達成した。実証試験の成果はベトナム・米国両政府に報告し、今後は本格除染事業への採否が両政府で検討されることになる。

 【2020/3/10日号】
進化する三菱化工機の水素事業
水素製造装置からCO2フリーの水素製造へ
 地球温暖化が深刻化するのに伴い、水素社会をいかに確立するかが、社会的にも重要課題となっている。三菱化工機も、水素社会の確立に取り組んでいる企業の一社だ。1999年に水素製造装置を発売し、最新の「HyGeia-A」はコンパクトで、効率の良い水素製造を可能にしている。この「HyGeia-A」を活用した水素ステーションの実証を自社内で進め、その普及にも力を入れる。さらに下水バイオガス原料の水素創エネやCO2フリー水素の製造にも取り組み、水素事業は確実に進化している。その進化が、低炭素社会の実現にも大きな役割を果たしている。

 【2020/2/10日号】
川重、トルクメニスタンにGTGプラントを完工
世界初、天然ガスの高付加価値化に貢献
 川崎重工業はこのほど、トルコの建設会社ルネッサンス社とともに、トルクメニスタンに世界初のGTG(ガス・トゥ・ガソリン)プラントを完工した。世界第4位の天然ガス埋蔵量を誇るトルクメニスタンだが、天然ガスの高付加価値化は重要な国策でもある。また重金属や硫黄分を含まないうえに、化石燃料の中でもCO2含有量が少ない天然ガスは近年、クリーンエネルギーとしても注目される。その天然ガスから直接、ガソリンを製造するプラントが完工したことは、今後のエネルギー供給にも影響を与える可能性がある。今回のGTGプラントの完工の持つ意義は大きい。

 【2020/1/25日号】
JFEエンジニアリング、ベトナムに初の下水処理プラントを建設
現地企業SEEMとの連携重視でコスト競争力を強化
 JFEエンジニアリングがリーダーとして受注したベトナムの下水処理プラント建設工事が2019年末に完了。その後、試運転に向けた下水の受入準備が進められている。ベトナムでの下水処理プラント建設1号案件の受注を勝ち取ったものの、プロジェクトの遂行は一筋縄では行かなかった。英語が通じない現場では意思統一のコミュニケーションに苦労するとともに、2度の大規模な冠水被害や杭打ちのトラブルにも見舞われた。それでも、JVを組む現地エンジニアリング会社のSEENと、たった2人の日本人社員の存在が、プロジェクトを成功へと導いた。




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