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  プラントコストインデックス 「ENN-PCI」 2021年 第2四半期
AACE International 日本支部
ENN-PCI 委員会

1. はじめに

 2021年第2四半期(4〜6月期)のプラントコストインデックスENN−PCIを算定し、2000年からの推移を図1に示した。

 2017年第1四半期以降、PCIは(コスト要因)、(コスト+需給要因)とも上昇してきたが、2019年第3四半期をターニングポイント(山)から下落に転じた。

 2020年1月以降は世界的な新型コロナウィルス感染拡大(コロナショック)によりさらに下落してきたが、世界各国の継続的な金融緩和と財政支援、および原材料費の値上がりを契機に2020年3Qから上昇に転じ、その後も上昇している。


 図1 プラントコストインデックス ENN−PCI の推移


2. ENN−PCI(コスト要因)およびENN−PCI(コスト+需給要因)

 ENN−PCI(コスト要因)およびENN−PCI(コスト+需給要因)の分類別の指標をそれぞれ表2表3に示す。

  ・表2 ENN-PCI(コスト要因:2000年基準)PDFをダウンロードする
  ・表3 ENN-PCI(コスト要因 + 需給要因:2000年基準)PDFをダウンロードする


  ※PDFを御覧頂くには、ENN「プラントコストインデックス ENN-PCI」(10月25日号50頁)に
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3. 世界経済

 2021年10月にIMFが改訂した世界の実質成長率の2021年の予測は前年比5.9%増であり、前回公表(2021年4月)から0.1ポイント下方修正されている。

 米国は前年比6.0%増(前回から0.4ポイント下方修正)、ユーロ圏は同5.0%増(同0.6ポイント上方修正)である。

 米国は好況を維持しているものの、輸入製品の供給制約や人件費の上昇が招いたインフレの影響が顕在化している。欧州はロックダウン等の行動制限の解除が上方修正の背景にある。

 一方で、新興国は同6.4%増だが、0.3ポイント下方修正された。

 新興国はワクチンの確保に苦戦しており、感染が収束していないことから生産活動が未だに制約を受けている。

 特に東南アジアは、半導体製造の後工程における一大拠点であり、その供給不足は自動車産業にとって大きな支障となっている。

 中国は同8.0%増だが、0.4ポイント下方修正された。製造業PMIも6カ月連続で前年を下回り、新たに電力供給制限の問題も発生するなど景況感に陰りが見られる。


 表1 反応器類(コスト要因PCI)


  ■プラント計


4. 我が国の経済

 日本経済は回復局面にあると思われる。ワクチン接種も進展しており、新たな治療薬も早ければ年内に上市される可能性がある。感染の再拡大、重症化の防止に向けた対策が出揃いつつある。

 また、岸田新政権による数十兆円規模の経済対策も予定されている。


5. ENN−PCIの変動要因

 ENN−PCIの変動要因は、材料費、賃金、営業利益、労働需給(有効求人倍率)で計算している。新型コロナによって停滞していたこれらの要因が回復しPCIのコスト+需給要因は更に上昇した。下降傾向だった有効求人倍率の指標は若干の上昇に転じている。原材料やバルク材料の価格の上昇もPCIの上昇をけん引している。

 原材料(アルミ、ニッケル、銅等)は、脱炭素社会の推進に伴う需要増も一因となって高騰しているが、生産、建設のコスト高を定常化させる恐れがある。


6. ENN−PCIの将来予測

 2021年2期以降の将来予測値を表4に示す。

 コロナショックが続いてはいるが、主要国が大規模な金融緩和政策を実施した結果、株価、商品相場が高騰し、実体経済も好転した。企業収益も大手製造業を主体に大幅に改善した。

 プラントの取引は先物取引で、大型プラントでは当期・来期のコスト変動予測が必要である。

 IMFの実質成長率や会社四季報の業績展望、法人企業景気予測調査等は権威があるが四半期ごとに修正を繰り返している。これらの資料だけで予測するとPCIの将来予測はToo-Late、Too-Littleの予測となる恐れがある。時期を失した設備投資は多額の損失を招くことになる。経済指標、特に先行指標の評価・分析を加えて的確に決断する必要がある。

  表4 ENN−PCIの将来予測値



  ※ AACE International は米国に本部を置く国際コストエンジニアリング推進協会
   (The Association for the Advancement of Cost Engineering International)である。
   その日本支部(略称JSCE:Japan Section of AACE International)がENN-PCI委員会を設立し
   ENN-PCIの執筆を担当する。 ご参考:
https://www.aace-japan.org/



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