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オートデスク 点群と写真データの処理に対応
リアリティコンピューティングのコンセプトを具現  
       2016.2.22

オートデスクは現在、リアリティコンピューティングを標榜している。リアリティコンピューティングとは、「既存の物をデザイン・提供・管理するために、現実とデジタル世界の間の障壁を、技術によって乗り越える」というコンセプトだ。

一からデータを作るのではなく、レーザスキャナやカメラを使って、必要な処理を施し、3次元デザインソフトウェアに取り込んで、キャプチャされた情報を基に設計を開始、最終的には可視化や3次元プリンタなどに出力するものだ。

オートデスクにおいて、フィールド情報のモデル化は、まさしく、このリアリティコンピューティングのコンセプトにより行われる。


点群と写真データを処理

オートデスクで、リアリティモデルを作成・共有・活用するための、ソフトウェアは、「Autodesk ReCap」だ。

「Autodesk ReCapファミリ」には、スイート製品に同梱され、無償でダウンロードできる「Autodesk ReCap 2016」、有償製品で25GBストレージと年間50クラウドクレジットを
提供する「Aotodesk ReCap 360」、そして有償製品で100GBストレージ、年間50クラウドクレジットを提供する「Autodesk ReCap 360 Ultimate」がある。

「Autodesk ReCap」の機能は、3次元レーザスキャナから点群ファイルを読み込み、スキャンデータの可視化・計測・編集を行うことができ、パノラマスキャンビューの表示にも対応している。

「Autodesk ReCap」で処理されたデータは、「Autodesk AutoCAD」や「Revit」などにより、モデル化できる。

有償ソフトウェアである、「Autodesk ReCap 360」「Autodesk ReCap 360 Ultimate」は、「Autodesk ReCap」のすべての機能+追加機能を持つ。この追加機能により、幅広いニーズに対応できる。インポートされたスキャンデータは、点群で距離を計測したり、注記記入できる。このデータは、ビュワーである「Navisworks」などで活用が可能だ。

■ Autodesk Recap 360 ワークフロー例  

また「ReCap 360」のデータは、パノラマ画像表示「Real View」においてマークアップを行うことができる。さらに「Real View」のデータはクラウド上で共有できる。この機能を活用すれば、プロジェクト現場の状況を関係者で共有することも可能だ。

さらに「Autodesk ReCap 360 Ultimate」では、自動レジストレーションが可能で、100GBのストレージを利用できる。このため、複数のスキャンデータを自動レジストレーションして効率向上でき、これを「Autodesk Revit」などで活用可能だ。

このほか、オートデスクでは、複数の写真から3Dメッシュ / 点群データを作成する、クラウドサービスを行う「Photo to 3D」も提供している。


UAVによる取得データにも活用

オートデスクはこれまで、リアリティコンピューティングにより様々な実績を上げている。

ミラノのオペラ劇場改修プロジェクトでは、18世紀に建設され、モデルデータを持たないオペラ劇場のモデルの作成を行った。改修前の状態を確認するために、レーザスキャナでキャプチャし、4日間で100億点以上の550個のスキャンファイルを作成した。

この点群ファイルから3次元モデルを作成い、改修プロジェクトに活用した。このプロジェクトでは、「Autodesk Revit」と「Autodesk ReCap」が活用された。

 
  和食ダムのプロジェクトで作成された
3次元モデル
またオートデスクは、米イリノイ大学と共同で、UAV(無人航空機)で撮影した工事現況の写真から高精度のBIM / CIMモデルを作成し、現況の把握と施工の進捗管理を簡単な作業で効率的に行えるようにする新しい手法を開発した。

この手法を活用して、大成建設は高知県安芸郡
和食ダムの工事現場で実務試験を実施。

これにより、
 ① 従来より短時間かつ少ない手数で精度の高い計測データを取得
 ② 現況の計測を行う頻度を増やすことにより、進捗把握の情報が増加
 ③ 協力会社とのコミュニケーションの質が向上 といった成果を上げた。








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