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ベントレー「Context Capture」が急速に普及
デジカメ画像から容易に3Dモデルを作成
            2016.12.22

ベントレー・システムズの「Context Capture」が急速に普及し始めている。

「Context Capture」は、デジタルカメラで撮影した画像から詳細な3Dモデルを自動生成するソフトウェア。3Dモデルを作成する方法には、3Dのレーザスキャニングもあるが、スキャナは最も安価な機種でも500万円と高価だ。3Dスキャナには精度などのメリットはあるものの、デジタルカメラで撮影した画像から3Dモデルを自動生成できる「Context Capture」はデジカメで撮影できる手軽さもあって、急速に普及している。ただ、撮影する画像のラップ率を60%以上にする必要があるなど、その使用には特別なノウハウが必要だ。実際に使用しているユーザからも「その使用にはコツがいる」という意見が聞かれるなど、使用目的によっては、難しい点もある。

しかしデジカメで得られた画像から3Dモデルが生成できるという点は捨てがたいメリットだ。

 「Context Capture」で作成したプラント画像


デジカメ画像から3Dモデルを用意に生成

「Context Capture」では、数cmのオブジェクトから都市全体に至るまで、あらゆる規模の3Dモデルを簡単かつ正確に生成することができる。生成される3Dモデルの精度には上限が無いが、入力される写真の解像度により精度は決まる。

規模や制度にほぼ制限なく、モデルを自動生成でき、しかも従来よりも大幅に高速化されているため、ソフトウェアの処理の性能やスピードの限界を気にすることなく、高精細モデルを短時間で確実に作成できる。GPUの汎用演算機能(GPGPU)とマルチコアコンピューティングの技術を利用することで、1台のコンピュータで1日約10ギガピクセルの処理が可能だ。

ベントレーのCADソフト「MicroStation」内で、ネイティブ使用できるファイル形式を含め、様々な形式の情報を一貫した方法で簡単に共有し、デスクトップやモバイルデバイスからアクセスして利用できるため、既存の状態や豊富なモデルを利用・共有することで、任意のCADワークフローやGISワークフローで活用できる。

「Context Capture」には、MasterとEngineの二つの主要モジュールがある。Masterモジュールは、入力データの定義、設定の処理、処理タスクの送信、進捗の監視、結果のビジュアル化を行うグラフィカルユーザインタフェースを提供する。一方、Engineモジュールは、ユーザ操作を要することなく、コンピュータのバックグランドで実行され、大量の演算処理が必要なアルゴリズムを実行する。このマスター/ワーカー型のパターンにより、数台のコンピュータで複数の「Context Capture」エンジンを実行し、共有ジョブキューに対して、処理を実行するグリッドコンピューティングがかのうになり、処理時間が大幅に短縮される。


自動三角測量など、豊富な機能

豊富な機能を持つ点も特筆される。

座標付けされた基準点とGPSタグから位置情報が与えられた3Dモデルを自動生成する機能によって、モデルの精度を最大限に高めることができる。この機能を使って、座標・距離・面積・体積を正確に計測できる。

空中三角測量の自動実行機能も装備されている。それぞれの写真の相対位置と方位を自動的に識別し、すべての画像を完全にキャリブレーションする。「Context Capture」独自の3Dメッシュ最適化アルゴリズムにより、自動3Dリコンストラクション、テクスチャマッピング、タイトリコンストラクション制約の再テクスチャリングといった機能を活用することで、正確なモデルを生成できる。3Dメッシュのも頂点が最適に配置されるため、アーティファクトが少ない状態で、精密な細部とエッジの鋭さを再現でき、幾何学的な精度が大きく向上する。

またマルチ解像度メッシュ、3D中間形式、デジタルサーフェスモデル、デジタル地形モデル、高密度3Dポイントクラウドなど、幅広いCAD形式を使って3Dモデルを生成できるため、モデリング環境内のモデルへのアクセス性が確保される。各ポイントに色情報を持つLAS形式もサポートされる。さらに、このようなモデルをMicroStationのネイティブで扱うこともできる。

MicroStationのDGNファイルは、AutoCADのDWGファイルと並ぶ、世界的に普及しているファイル形式。DGNファイルの利用もしやすく、この点もメリットと言える。







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