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　2019.11.5
資産の効率的な維持・管理を目指す、プラント系ソリューション
「PlantSight」でデジタルツインからＡＩまで対応

　ベントレー・システムズはこのところ、施設やプラントなどのインフラストラクチャばかりではなく、その維持・管理に力を入れている。プラント分野でも、その方針に変わりはない。
 
  サンドラ・ディマッテオ 氏
 
  アン･マリー･ウォルタース氏
 
  ピエール・デウィット 氏









世界的に高まる維持・管理需要

　バイスプレジデントで、アセットパフォーマンス＆リライアビリティを担当するピエール・デウィット氏は「オイル＆ガスや化学、発電などの各種プラントでは、既存のプラントをいかに使うかに関心がある」と指摘する。

　既存プラントの効率的な運用に力を入れる理由は、再生可能エネルギーへの転換などがあり、オイル＆ガスや電力業界がかつてのように、大規模なプラントの新設が困難になったためだ。このうえ、ＣＯ２の排出削減が求められるなど、プラントはより高効率で稼働する必要がある。

　こうしたことを背景に、ベントレーでも、プラントの維持・管理のためのソリューション「AssetWise」の売上が世界的に好調だ。特に、インド、東南アジア地域で売上実績を伸ばしてきたが、最近では、中東でも売れるようになってきた。もちろん、これら地域では、プラントの新設もある。しかし、それ以上に維持・管理の需要が高まっている。
多様なデータの取得が可能な「AssetWise」

　ベントレーが維持・管理で実績を上げられるのは､「AssetWise」の機能面もさることながら、多様なデータの取得が可能であることも大きな要因になっている。

　リアリティモデリングソフトである「ContextCpture」を活用すれば、デジタルカメラや３Ｄレーザースキャニングにより取得したデータをデジタル化して、取り込むことができる。

　もちろん、プラントのＤＣＳ、ＳＡＰなどのＥＲＰから送られてくるデータは、データ交換のコンテナの役割を持つ「i-model」により取り込むことができる。またベントレーとシーメンスは昨年８月に資本・業務提携契約を締結したが、すでにシーメンスのクラウドベースのオープンＩｏＴオペレーティングシステム「MindSphere」との連携も可能になっている。

　ベントレーはこうした「AssetWise」の機能を利用して､「AssetWise Digital Twin Service」を開始した。このサービスでは、３Ｄに時間軸を加えた４Ｄでの対応も可能だ。デジタルコンテキスト、デジタルコンポーネント、デジタル年表を統合して、没入型の視覚化と高度な分析を提供し、オーナーオペレータの意思決定を支援する。

　同時に、ベントレーは「OpenUtilities Digital Twin Services」にも取り組む。このサービスでは、発電所、変電所、ネットワーク全体などの資産を効率的に管理するために必要な、リアリティモデリング、パフォーマンスシミュレーションなどのサービスを提供する。
「PlantSight」でデジタルツインからＡＩまで対応

　多様なデータを取り込み、資産や設備の効率的な生産をサポートするソリューションを持つベントレーだが、次の戦略商品について、オイル＆ガス分野のインダストリー・マーケティング・ダイレクターである、アン-マリー・ウォルタース氏は「次のターゲットは『PlantSight』です」と力を込める。

PlantSightのディスプレイ

　「PlantSight 」は、ベントレーとシーメンスの共同開発によるもので、昨年の「Year in Infrastructure 2018」で発表された。物理的なリアリティデータとエンジニアリングデータを同期して、最新の運用状態を再現したデジタルツインを実現する。

　ベントレーにはリアリティモデリングソフトである「ContextCapture」があるが、装置や機器をデジタル情報として取り込めば、マシンラーニングが可能になる。

　「多様な方法で取得したデータは、『PlantSight』により、関連付けることができる」と、デジタルソリューションのマーケティングダイレクターであるサンドラ・ディマッテオ氏は指摘する。

　世界のエンジニアリング企業はＥＰＣから次のビジネスモデルの開発に取り組んでいる。その中でＡＰＭを取り込み、インフラ資産の維持・管理への傾斜を強めている。

　ベントレーもデジタルを最大限に活用して、その波に乗っている。

㈱重化学工業通信社
　
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