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 価格重視に転じた、エンジニアリングITツール選び
 ハイエンド志向から適材適所へ、変わるユーザ志向
        
2015.2.25

 毎年、年初に実施しているエンジニアリングITツールに関するアンケートだが、今回のアンケートで浮かびあがったのは、低コストへの要求の強さだ。 かつては、ハイエンド志向を強めていた専業大手エンジニアリング企業も、適材適所のツール選択でコスト低減を図るように志向を変えている。 ベンダーへの要望においても「低コスト」は常に上位にランクされる回答だ。 エンジニアリングITツールの選択は、コスト重視の時代に突入した。
 小誌では毎年1~2月にプラント・エンジニアリング業界における、エンジニアリングITツールの使用状況に関するアンケートを実施している。 今年も例年同様にアンケートを行い、57社60事業部から回答を得た。


見直されるハイエンド製品

Q1 「現在御社では、どの種類の2次元CADを使用していますか?」
                              (複数回答可)
 「AutoCAD (オートデスク社製)」がシェア30%、その簡易バージョンである「AutoCAD LT (オートデスク社製)」が29%。 2次元CADでは、約6割のユーザがオートデスク社製の「AutoCAD」シリーズを使用している。 これに次ぐのが「Microsoft Visio (マイクロソフト社製)」でシェア18%を占めた。 手軽に図面を描けるソフトだが、手軽さが受け入れられたと見られる。 次いで「MicroStation (ベントレー・システムズ社製)」9%となった。



 世界的には「MicroStation」は、「AutoCAD」と市場を二分しているが、わが国では「AutoCAD」が強い。

 以下、「SmartSketch (インターグラフ社製)」5%、「Microstation Power Draft (ベントレー・システムズ社製)」2%となった。 「その他」の回答には、「SketchUp (トリンブル社製)」、「DraftSight (ダッソー・システムズ製)」 などが上がった。




Q2 「現在御社ではP&IDソフトとして、どの種類のソフトを
    使用していますか?」
(複数回答可)

 「AutoCAD P&ID (オートデスク社製)」が38%で、首位となった。 昨年のアンケートでは27%だったが、シェアを一気に上げた。 専業大手、総合重機で新規に導入した企業があり、構成比を上げた。 次いで「SmartPlant P&ID (インターグラフ社製)」23%となった。 昨年は「AutoCAD P&ID」と首位を競ったが、シェアは落ちた。

 以下、「AVEVA P&ID (アヴィバ社製)」 11%、「Eye CAD P&ID (インターグラフ社製)」9%となった。「その他」には、「AutoPIPE (ベントレー・システムズ社製)」の他、「AutoCAD」で対応しているという回答もあった。


Q3 「プラント配管設計用として、
    どの種類の3次元CADを使用していますか?」
(複数回答可)

 最も多いのが「EyeCAD (インターグラフ社製)」で25%、次いで 「AVEVA PDMS (アヴィバ社製)」が23%で続いた。 次いでインターグラフ社の旧バージョンである「PDS」が13%、「AutoCAD PLANT 3D (オートデスク社製)」が11%、インターグラフ社の最新バージョンである「Smart 3D」が7%となった。


 以下「AutoPLANT (ベントレー・システムズ社製)」4%、「CADWorx (インターグラフ社製)」2%となった。

 また「使用していない」も10%の回答があり、ユーザによっては3次元CADが必要ないケースもある。

 その他回答では「Revit (オートデスク社製)」や
「CATIA (ダッソー・システムズ製)」などの回答があった。




Q3-1 「使用している3次元CADの中で、最も使用頻度の高い
     CADを1つだけ、お書きください」


 ここでも、最大の構成比となったのは、「EyeCAD (インターグラフ社製)」が29%で、「AVEVA PDMS (アヴィバ社製)」27%、「AUTOCAD PLANT 3D (オートデスク社製)」7%となったが、インターグラフ社製の「PDS」「Smart 3D」はいずれも5%と低いシェアになった。 いずれもハイエンド製品だが、使用頻度は意外に低い。


 今回のアンケートで特筆されるのは、P&IDで、「Auto CAD P&ID」がシェアを伸ばした点だ。

 近年、専業大手では、高価なハイエンドのエンジニアリングITツールの使用を見直し、ミドルクラスの製品も適材適所で導入する機運が高まっている。


 こうした中で、ハイエンド製品の構成比が落ち、
ミドルクラスのシェアが高まったと見られる。





     


















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